「キリマンジャロの雪」(2011)というフランス映画があります*1。 リストラされた元労働組合委員長の老人が主人公ですが、主人公が語る台詞の中にこういうものがあります(うろ覚えなので正確ではありませんが)。 「確かに俺たちは待遇改善のために頑張ってきた。しかし今の若者にとっては有給休暇も8時間労働も当たり前だ。あって当然なんだ。俺たちは彼らに自分たちが頑張って得てきた物を伝えることに失敗したのだ。」 戦前日本では労働運動は壊滅状態でした。戦後になって労働運動が再開し幾多の苦難を越えて現在の労働待遇があるわけですが、ここまでの道程を自分はどれほど知っていると言えるのか、映画を見ていてそう自問しました。 現在に至るまでの労働運動が平坦な道を効率よく進んできたわけではないのは確かです。そして今の状態が満足できるものでないことも確かです。ですが、そんなの当たり前です。どんな人もどんな組織も、前進と