トヨタ自動車の豊田章男社長が報道陣に向かって、トヨタはそろそろ廃棄場行きになるかもしれないと語ってから来月で丸3年となる。 当時、トヨタは株式時価総額で世界一価値の高い自動車メーカーで、自動車販売台数でも首位の座にあったが、世界金融危機後の深刻な景気後退と通貨の振れに対する準備が全くできていなかった。 創業者の孫に当たる豊田社長の言葉を借りれば、トヨタは「救世主にすがる」状況で、「存在価値を失う瀬戸際、消滅の一歩手前」にあった。 景気後退、円高、リコール、震災、タイの洪水・・・ トヨタは2009年3月期に4370億円(当時のレートで46億ドル)の最終赤字に陥った。通期で利益を出せなかったのは60年ぶりのことだ。 その後間もなく、1000万台以上のリコール(回収・無償修理)が必要となる前代未聞の安全性の危機に見舞われたうえ、2011年には日本の震災とタイの洪水で深刻な供給途絶が生じ、トヨタの