規制されるケシとその類似植物について ―植えてはいけないケシの見分け方― 東京都薬用植物園主任 吉澤 政夫 東京都薬用植物園特別講演(平成17年3月17日)より抜粋 1.植えてはいけないケシ ケシPapaver somniferumはケシ科ケシ属の1年草で、麻薬成分のモルヒネ(注1)を含み、「あへん法」により栽培や所持等が禁止されています。このケシにはヨーロッパなどで品種改良された園芸品種もありますが、日本では同様に規制されています。北アフリカ原産で、世界各地に帰化しているアツミゲシP. setigerumはケシより小形の1年草ですが、ケシと同様の麻薬成分を含むため、やはり「あへん法」により規制されています。 また、ハカマオニゲシP. bracteatumは麻薬成分のテバイン(注2)を含み、「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されています。 これら3種のケシ(園芸品種を含