要求定義の手法を見直す動きが活発になってきた。これまでの開発者視点の手法では,社外ユーザー向けのシステムなどが開発しづらくなってきたからだ。旧来の手法で無理に進めれば,使われないシステムや赤字プロジェクトが増すばかり。要求工学,ユーザー中心設計,超上流など,システマティックな手法を取り入れ,いち早く要求定義の問題解決に挑んだ現場から,実践のノウハウを探った。 「システムの利用目的や対象ユーザーが大きく変わった。要求定義の認識を改める必要がある」──。30年間にわたり,情報システム部門,ユーザー,ベンダーと立場を変えながら金融システム開発の現場に携わってきたアイネスの菊島靖弘氏(金融システム本部 副本部長)は,こう警鐘を鳴らす。 帳票作成などの定型業務をシステム化していた時代,システムの利用ユーザーは発注者そのものであり,きちんと要求を語ることができた。ところが「Webシステム全盛の今は,社
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