日本は世界から見て、「ものづくり先進国」「超一流の工業国」というイメージがあると思う。しかしながら窓に限っては全く逆で、日本の工業製品の中でほぼ唯一といっていいほど、レベルの低い状態が続いてきた。 まずは、その証拠として世界各国の窓の断熱性に対する最低基準と日本の窓の実態を比較してみよう(下図)。 窓の断熱性能は、「熱貫流率」という指標で比較する。U値とも言い、単位はW/m2(平方メートル)・Kである。1m2当たり、かつ1時間当たりに通す熱量を表し、小さいほど熱の出入りが少なく高性能であることを意味する。多くの国では窓の重要性がよく認識されており、U値に関して最低基準を設けている。その値をまとめたのが下の表である。 日本には非常に残念ながら、いまだに最低基準が存在しない。よくあるアルミニウム 製の枠に一重(単板)のガラスを使った窓は、U値が6.5W/m2・Kと、とんでもなく低性能な値だが、