少年事件の中で,触法事件という類型があります。触法事件とは,触法少年を対象とする事件です。触法少年とは,14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年をいいます(少年法3条1項2号)。 14歳未満の少年は,刑事責任能力がありません(刑法41条1項)。責任能力がないものが,刑罰法令に違反する行為を行っても「犯罪」にはなりません。簡単にいうと,14歳未満の少年は,絶対に「犯罪」をすることはできないのです。「触法」とは,「犯罪」ではないが,刑罰法規に抵触するという意味で使用されています。 触法少年は,犯罪をしたわけではないので,逮捕,勾留をすることはもちろん,捜査をすることもできません(警察は,捜査をすることはできませんが,「調査」をすることはできます。)。すなわち,14歳以上の犯罪少年と14歳未満の触法少年では,別個の規律が定められています。私自身,触法少年事件の付添人として活動をしたことがありま