主任調査員 吉田 和央 3月11日の震災、その直後に津波による甚大な被害、そしてわずかな時を経て福島第一原子力発電所の事故が、全世界レベルでトップニュースになったことは、当の日本人でなくとも、多くの人の記憶に鮮明に焼き付いていることだろう(たとえそれがテレビやネットの映像であったとしても)。 日本の被災と原発事故に対して、ドイツ人はただならぬ関心を抱いた。とくに他国の原発事故を受けて、自国の政策を急旋回させたという点では、先進各国の中でも稀な存在であることは疑いようがない。ドイツ政府の広報・情報サイトである"Regierung Online"(直訳すれば"政府オンライン")の左上のトピックメニューは、未だ(5月13日時点)、トップに「日本とその先("Folge"を少し意訳している)」であり、続く「エネルギーコンセプト」「欧州とユーロ」「将来の政策パッケージ」より先に位置している。 福島原発