政府が成長戦略への活用の検討を始めた「休眠預金」をめぐり、預金者から金融機関への問い合わせが殺到している。解約して引き出す預金者もおり、政府の検討表明によって、休眠預金の存在が広く認知された格好だ。金融機関側は「預金は預金者のもの」として、活用に猛反発している。実際に引き出す預金者が多数現れたことで、政府の思惑は、さらに実現が難しくなりそうだ。 お金の出し入れが10年以上ない口座に眠る休眠預金の検討に政府が着手したのは今月15日。その直後から、金融機関に「古い預金通帳を見つけたが、休眠口座になっていないか」といった問い合わせが増え、対応に追われた。 あるメガバンクでは「コールセンターや支店への問い合わせは、1日数百~1千件近くに上った」(関係者)という。「古い口座の預金は政府に持っていかれてしまうのか」と、あわてた様子で問い合わせてきたケースもあった。 大手地銀では、「長年使っていない口座