映画『新聞記者』の監督・藤井道人の最新作が1月29日に公開された。『ヤクザと家族 The Family』である。 本作は2010年代に全国各地で暴力団排除条例が施行されたことにより、「絶対悪」「反社」として社会から排除されていったヤクザの現在を題材にした作品だ。時代の変化とともに彼らを取り巻く環境はめまぐるしく変わっていった。 これまで「ドキュメンタリー」としてのヤクザは多くの作品で描かれてきている。そんな中で、あえて今回藤井監督が「劇映画」としてヤクザをとりあげた理由はどこにあったのだろうか?(全2回の2回目/#1から続く) ◆◆◆ 家族のあり方を主題にしたヤクザ映画 ――ドキュメンタリーやノンフィクションで暴力団を取材したものが数多くあるなかで、劇映画であえてそれを題材にする意義はなんでしょうか? 藤井 僕の好きなドキュメンタリーに、熊谷正敏さんという現役ヤクザの日常を追った『Youn