パネルディスカッションでは、現場で実際に情報を教えている立場から加藤氏が、「数学の先生と情報の先生は何が違うのか?」といった疑問を提示。情報で2進法を習う際、既に数学ではn進法を学習済みであるといった例などを挙げつつ、情報科の教師として、「情報」でしかできない問題解決法があるといったことを示すことが重要だと述べた。例えばモデル化とシミュレーションを挙げ、「画期的な新製品の普及」や「限られた領域での生物の繁殖」を示す「S字型成長」のグラフを示した。数学というツールで処理できないもの、モデル化が容易なもの、プログラミングによりシミュレーション可能なもの、といった「情報教材」の提供を情報処理学会に期待していると語った(写真2)。