第1回 「アイデンティティ管理」の周辺事情を整理しよう 日本電信電話株式会社 NTT情報流通プラットフォーム研究所 伊藤 宏樹 2009/11/5 仕様の一本化か、相互運用か 今後、ID連携技術の採用事例が拡大するに従って、例えば、SAMLで構築したサービスと、OpenIDで構築したサービスとを組み合わせて新たなサービスを構築したい事例も出てくることでしょう。そのような場合には必ず、OpenIDとSAMLの両方に対応したウェブサイトを構築する必要が出てくるのでしょうか? OpenIDとSAMLの両方に対応したウェブサイトを構築する代わりに、OpenIDとSAMLを統合した、新たな技術標準を提案、策定することが考えられます。しかし、もともと異なる思想に基づいてデザインされたこれらの仕様の一本化は現実的ではありません。現在、ID管理技術の世界では、複数の仕様を一本化させるのではなく、お互いを尊