2021年3月8日、緊急事態宣言の発出とその延長につられる形で、延期に延期を重ねた『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(以下『シン』)が公開された。 (画像は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報3【公式】 – YouTubeより) 今回の『シン』の前作にあたる『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(以下『:Q』)が公開されたのは2012年であり、直近の作品からですら9年もの時が経っているという事実に軽いめまいすら覚えそうになるが、本作が完成するためにはこの時間が必要だったのだろうと、観終わった今、実感としてそのように思う。 2007年から始まり14年の時をかけて完結を迎えた新劇場版プロジェクト、その完結編としての『シン』は、1995年に放映開始されたTV版、1997年に公開された劇場版(旧劇場版)すらをも包括し、終止符を打つ、「さらば、全てのエヴァンゲリオン」というコピーに偽りなしの堂々たる
