企画展「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2024年6月11日(火)から8月25日(日)まで開催される。その後、北海道の札幌芸術の森美術館に巡回する。 中世ヨーロッパの写本、役割と装飾の特徴リュソンの画家彩飾 《時祷書零葉》 フランス、パリ 1405-10年頃 内藤コレクション 国立西洋美術館蔵中世ヨーロッパにおいて写本は、キリスト教の信仰を支えるとともに、知の伝達を担う主要な媒体であった。印刷技術のなかった当時、写本は、羊や子牛といった動物の皮を薄く加工して作った紙に、人の手でテキストを筆写することで制作された。制作に膨大な時間と労力を要する写本は、時に贅沢な品となり、しばしば華やかな彩飾が施されている。 フランチェスコ・ダ・コディゴーロ写字、ジョルジョ・ダレマーニャ彩飾 《『レオネッロ・デステの聖務日課書』零葉》 イタリア、フェ