Glis1遺伝子について会見する山中伸弥・京都大教授=京都市左京区で2011年6月6日午後2時3分、森園道子撮影 マウスやヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成効率を大幅に上げる遺伝子を、京都大の山中伸弥教授らのチームが発見した。この遺伝子には、がん化しやすい不完全なiPS細胞の増殖を抑える効果がある。9日付の英科学誌ネイチャーに発表する。 Glis1(グリスワン)と呼ばれる遺伝子。iPS細胞は、皮膚など既に分化した一般の細胞を、受精卵の細胞同様に戻す「初期化」という工程を経て作られ、初期化には4種類ほどの遺伝子を細胞内に入れる方法が用いられる。前川桃子・京大助教(分子生物学)らは、産業技術総合研究所が蓄積した遺伝子のうち約1400種を使い、他の遺伝子と組み合わせては細胞内に入れる作業を繰り返し、Glis1遺伝子を見つけ出した。 Glis1は、他の初期化遺伝子の働きを促進したり、初期化