足元の日本経済は、2008年を想起させる。第一の類似点は08年に1バレル147ドルまで上昇した原油価格だ。現状はその水準からはまだ低いものの、ウクライナへのロシアの軍事行動、欧米による対ロ経済制裁によっては、150ドル程度まで急上昇しよう。 08年は、価格上昇と下落の「スーパーサイクル」がピークに達したことと、コモディティの金融商品化が要因だった。今回は脱炭素社会への移行リスクによる「グリーンフレーション」と、ウクライナ情勢が主因だ。 ハース米外交問題評議会会長は、ウクライナと台湾は領土問題としてパラレルな関係があると指摘する。マクマスター元米大統領補佐官は、14年ソチ冬季五輪後にロシアがクリミアを併合した例に照らし、北京冬季五輪終了後の台湾有事リスクに警鐘を鳴らす。リスクがさらに高まれば、資源価格全般に衝撃を与えよう。 原油価格上昇の対応策として、政府は石油元売り会社へ補助金を出している