ロシアが2022年2月24日に突如として開始したウクライナへの軍事侵攻は悪夢ような光景でした。元KGBであるプーチンは徹底的な言論弾圧を断行、ロシア国内でこの蛮行を非難することは非常に危険な状態にあります。しかし祖国を離れてもなお、この不毛な戦争に異を唱える矜持を持ったロシア人も存在します。 今回は冷戦の壁を乗り越え西側のゲーム作家と友情を結んだテトリス作者、アレクセイ・パジトノフの祖国への想いを綴ります。 ❶テトリスの衝撃 グラディウスII -GOFERの野望-やパワードリフトといった家庭用ゲーム機では到底不可能なゲームがひしめいていた1988年末のゲームセンター。その一角に長蛇の列が並んでいるのを見て僕は「新しい筐体が稼働したのか!」と胸をときめかせると、ディスプレイに映っていたのはアッカンベーをしていたサルでした。何とも地味な画面にがっかりして攻略中だったスプラッターハウスをプレイし