安倍政権はアメリカが要求する農協改革の名のもとに、農業への企業参入、農業の大規模化・効率化を推進してきた。規制改革推進派の小泉進次郎氏が自民党農林部会長に就き、「農業が産業化し、農協が要らなくなることが理想だ」と公言する奥原正明氏が農水省事務次官に就いた。 諮問会議で農業改革の議論をリードしたのは、農業の専門家ではなく、金丸恭文氏、新浪剛史氏といったグローバリストである。結果、農業分野への参入に成功したのは、新浪氏が社長を務めていたローソンファームや竹中平蔵氏が社外取締役を務めるオリックスである。 安倍政権が掲げてきた「稼げる農業」というスローガンは、その実態は、グローバル企業やお仲間企業だけが稼げる農業なのである。 こうした中で、農産物の自由化によって日本の農業は弱体化に拍車がかかっている。 『月刊日本 2020年1月号』では、第3特集として「日本の食と農が崩壊する」と銘打ち、日本の食糧