フィンランドに移住した社会学者の朴沙羅さん(ヘルシンキ大学文学部文化学科講師)が、移住の過程、現地での生活から見えたことを繊細に描いた『ヘルシンキ 生活の練習』(筑摩書房)。 困ったときの人々のふるまい方から、働き方、子育て、野党のあり方まで、朴さんに話を聞いた。 取材/文:山本ぽてと 私はなんでも自分でやろうとするところに自信を持っていた。なんでも自分で判断し、自分で考え、可能なかぎり自分でがんばるのが、自分のいいところだと思っていた。今回は、この思い込みと行動の癖が裏目に出た。 (中略) 困ったら明示的に助けを求めないと、ここでは誰も助けてくれないのではないか。困っているのに助けを求められなかったのは、もしかしたら、私が社会というものを信用してないからなのかな。 (『ヘルシンキ 生活の練習』「未知の旅へ」より) ◇ ――『ヘルシンキ 生活の練習』は、二人の子どもとのフィンランドでの移住