少なすぎる残業に要注意! 組織を崩壊させる「粉飾残業」のあきれた言い訳と手口:たかが残業、されど残業(1/5 ページ) 「これは、マズイな……」 PCの画面に目を向けている管理部長の顔から、どんどん血の気が引いていく。反対に、私のすぐ隣にいる社長は、頬から耳にまで血がのぼり、赤らめている。管理部の部屋に怒号が響き渡るかと思った。しかし社長は両手で頬をぴしゃりぴしゃりとたたきながら出ていった。気持ちを落ち着けるためだろう。 私と管理部長は、長い溜息をついた。「やっぱり、過少申告していましたね」と私が言うと、管理部長も無言でうなずいた。私は、こうした残業時間の過少申告を「粉飾残業」と呼んでいる。 2019年4月から働き方改革関連法が施行され、最大の目玉ともいえる「残業上限規制」の新ルール適用がスタートした(大企業のみ対象。中小企業は20年4月から)。最大の特徴は、違反すれば罰則(事業主に30万