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「みんな!収穫の季節だよ!」 卑弥呼は、国民たちに威勢よく呼びかけてみたかったのに、肝心の呼びかけるべき内容が見つからなかったらしく、唇寒さに「収穫の季節」という言葉を持ち出したのだった。しかし残念ながら、この春には稲以外のものを植えた覚えはないし、周囲を見渡しても果実のようなものは何も見あたらない。 「収穫…ですか。何を収穫いたしましょう?」 卑弥呼はしまったという顔をしたが、こういう時でも、自説を撤回したことがない。 「いやぁああ、見渡す限りの緑、むしろ収穫できないものがないくらいじゃないか。何でこそんな愚問を…食べたことがないから収穫しません、というのは創造力を放棄しているに等しいだろう。これからは斬新な発想がないと国など滅びてしまう。この国の将来が心配でならない!」 と言い張るものだから、ここ数ヶ月、あらゆるものを収穫させられて腰が痛くて、日記が書けなかった。言われてすぐ、国民たち
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