「増田くんって頭良いよね」 「いいや、そうでもないよ」 「またまた、謙虚なんだから」 「うーん、なんというか謙遜じゃなくて自分では本当に良いとは思っていないよ。もし頭が良いのだと仮定すれば、それは僕の中で極めて限定的なものでしかなくて、それ以外はいたって凡庸だと思っている」 「……?」 「多分ひどく退屈な話になると思うけど聞きたいかい?」 「……うん。(迷った挙句の肯定)」 「うん分かった。ではまず結論から言ってみると、僕が頭が良いと仮定するならば、それは思索の過程を細切れに細分化する能力に於いて秀でている、ということなのだと思う。これが多分僕が頭が良く見える理由で、実際に客観的に見た僕の特筆すべき点なのではないかな。そして、それ以外は僕は極めて凡庸であると認識しているよ。つまり僕は、細かく分析的に物事を捉える、という特性以外には特に何の変哲もない平凡な人間で言うならばただのはったり人間な