やや古い話になるが、昨年末から今年の年始にかけて、野田首相や政府高官がインドに赴き、日本の高速鉄道を売り込むための積極的な活動を開始したというニュースをご記憶の方も多いに違いない。インフラ輸出を経済回復の旗頭に据える日本産業界にとっては、ありがたい政府の支援だと言えるだろう。 しかし、インドの高速鉄道構想6路線の調査事業うち、1路線は優先交渉権獲得して日本勢がほぼ受注を決めたものの、4路線については欧州勢が獲得していると報道された。これを見ても欧州が優勢であることがうかがえる。 政府調達における国際標準の威力 なぜ欧州勢はこれほど強いのか。図1をご覧いただきたい。国際標準化機構(ISO)の専門委員会TC269「鉄道分野」<注1>がつい先ごろ新設された。このTC(テクニカル・コミッティー、専門委員会)の新設に欧州勢の強さを支えるしたたかな国際戦略の一端をみることができる。 <注1>Railw
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