今さら聞けないマルチプロセッサの基礎教えます ――キャッシュの共有,割り込みの共有,OSによる制御 木村啓二 ●○● Column ●○● ◆ライト・バック方式の場合のsnoop cashe利用法◆ ライト・バック方式の場合のsnoop cacheの利用法を,図A-1を使って説明します. 図A-1のキャッシュには,通常のライン情報(データが有効かどうか,データが修正されているかどうか)のほかに,データがほかのキャッシュと共有されているかどうかを表す情報が付加されています.この図の場合,はじめはCPU0とCPU1の両方のキャッシュに同じデータ「A」が共有されているので,両キャッシュとも該当するラインは「共有」の状態となっています.ここで,CPU0はAをA'に更新すると同時に,「Aを更新した」という情報をバスに流し,同時にラインの共有状態を取り下げます.CPU1のキャッシュはバスを監視しており