60年代の社会的な波瀾は、パリ、プラハ、西海岸、日本、もちろん英国にもその余波が到達した。69年までの時点でアフリカ大陸にある旧大英帝国の植民地はほぼ独立し、所謂エスタブリッシュメント(主に保守党政治家)に対する敬意めいたものが薄まっていたことは、当時人気を博したエンターテインメントの核が風刺であったことからもうかがえる。事実、63年に短期間放映されたテレビ番組『The Frost Report』、さらに同番組に出演していたジョン・クリーズらによる『Monty Python』シリーズは、そのシニカルさで大衆的な人気を得ていた。これら風刺的娯楽の露払いは、『The Frost Report』のデヴィット・フロストが司会を務めていた『That Was The Week That Was』だった。62年11月から始まったこの番組はBBC7代目会長カールトン・グリーンのアイデアを反映したもので、週