上野駅のコインロッカーでの出来事。本人たちの狼狽ぶりが大きいほど、傍から見たおかしさは募る。「けど、誰一人見る人も手助けする人もおらんかった。都会やわと思う」 写真のおもしろさをストレートに感じさせてくれる写真展がいま、東京 原宿のリトルモア地下で開催中だ。題して「シャッターチャンス祭り/梅佳代写真展」。日常生活のなかで起きている不可思議な小事件、出来事。それを見逃さず写真に記録して見せてくれる。彼女の写真を見たとたん、思わず口から笑いが飛び出してしまったりするのだが、そのあと、不思議な余韻が眼の奥に残り、もっと見たいと眼が訴えかけてくる。 嘘だと思うならば、リトルモア地下に足を運ぶか、作者の初めての写真集「うめめ」が発売されているので、書店で確認すべし。ギャラリーに行った人は写真集が見たくなるし、写真集を見た人は写真展が見たくなるはずだ。 「シャッターチャンス祭り」の会期は2006年8月