(CNN) 飲食を拒否する権利を訴えて裁判で認められ、死ぬ権利容認の是非をめぐる論争の渦中にいたオーストラリアの男性が21日、呼吸器系の感染症のため死去した。家族などが明らかにした。 死亡したクリスチャン・ロシターさん(49)は、1988年の事故で手足がほとんど動かせなくなり、胃に通した管を通じて栄養補給を受ける生活だった。2008年11月からは西オーストラリア州の州都パースの施設で介護を受けていたが、飲食を拒む権利の確認を求めて裁判所に提訴。同州の高裁は8月にロシターさんの訴えを認める判決を言い渡し、ロシターさんが飲食を拒んだ結果死亡しても、施設側は刑事責任を問われないと認定した。 裁判にはロシターさん本人が車椅子で出廷し「死にたい」と訴えていた。不治の病にかかっているわけでも死に瀕しているわけでもなく、正常な意思表明のできる人物に対して今回のような判決が言い渡されたのは極めて稀だという