僕があまりにアルゴリズムのことばっかり考えてぼうっとしていることに、彼女は少なからぬ不満を持っている。そしてしょっちゅう、プログラミングと彼女の間に不等号を設定する様にきつく迫るのだ。昨日、夕ご飯にカレーを食べながら、「いや、やっぱり、君の存在にはプログラミングは勝てないよ。プログラミングがこの世から消えるよりも、君がこの世から消える方がつらい」と言うようなことは訥々と語っていたら、彼女はほとんど息継ぎ無しにこう返答した。「代替可能性を語るなら、プログラミング総体じゃなくてプログラミング言語と比較するべきじゃないの。根岸くんがPerlを捨ててRubyばっかり書くことになったことは、いつかあなたが私を捨てて他の女の子と一緒にご飯を食べる様になることのメタファーなんだわ」僕が、「それは業務命令で」等と弱々しく反駁すると、「どうせお母さんが何か言ったら私と別れて、お見合いの相手とでもよろしくやる