野良着から肌着、そして寝具まで。すり切れ、ツギハギされたBOROは、青森では恥ずかしいものとされ、決して表舞台に出ることがありませんでした。 今、そんなBOROの美しさがヨーロッパをはじめ世界中のアーティストから注目されています。 消え行くBOROに関心を持ち、調査収集を続けてきた民具研究家の田中忠三郎さんにBOROと出会った頃のお話を伺いました。 忠三郎 「私が出会った時は、BOROという思いがしませんでしたね。ああ、こんなに布きれを大事にして、粗末にしないで、いのちあるものとして大事にツギハギしたんだなと。感激しましたね。涙が出ましたよ。こんなにモノを大事にする人たちがね、この雪国、青森にいたんだと」 以来、青森県内の村々を歩き回り、40年間で集めた古い衣類は3000点以上に上ります。 幾重にもツギハギされたBOROへの強い関心は、次第に冬の寒さと戦ってきた祖先たちの生き抜くくふうと知