戒名ソフトの画面。故人の職業や性格にちなんだ漢字が表示される 故人の趣味や職業を入力すれば、ふさわしい戒名(法名)を提案してくれる。そんなパソコン用「戒名ソフト」を利用する寺が増えている。仏教界にじわりと広がるIT化の波。背景に何があるのか――。 鎌倉時代から続く東京都内の古寺。70代の住職は、檀家(だんか)でない故人の遺族から戒名の作成を頼まれると、パソコンを立ち上げる。戒名ソフトに遺族から聞き取った故人の性格や職業を入力すると、候補となる漢字が表示された。 住職は「付き合いのあった檀家の場合は、性格や人となりを知っているから、戒名にふさわしい漢字のイメージがすぐにわいてくる。ところが、知らない人の戒名はなかなか思いつかない。ソフトは困った時、辞書代わりにして参考にしています」。 製造元は東京都目黒区の「大東工業」だ。電話工事が主業務の同社が、お寺向けのパソコンソフトを開発したの