3400年前の都市の日干しレンガの壁。ジグザグの壁が特徴的で、最も高い場所では3メートル弱の高さがある。(COURTESY OF ZAHI HAWASS) 3400年前のエジプトに、自らの名前と宗教、そして150年以上も続いた首都を捨てた異端の王がいた。現在のルクソールにあったテーベという首都を放棄して、アケトアテンという都市を新たに築き、そこで妻のネフェルティティとともにエジプトを統治したアクエンアテンだ。だが、彼の死後に若くしてエジプトの統治者となった息子のツタンカーメンは、父の遺産にことごとく背を向けた。(参考記事:「エジプト初の革命家 アクエンアテン」) しかし、アクエンアテンがなぜ、テーベを放棄したのかは大きな謎とされている。その答えの手がかりが、このたびテーベで新たに発見された古代の産業都市から得られるかもしれない。この都市は、アクエンアテンが父親のアメンホテプ3世から受け継い