脳の可塑性(かそせい)とは ー 脳局在のコペルニクス的転回 2021年6月15日 横浜なみきリハビリテーション病院 院長 脳神経内科 阿部 仁紀 前回のコラムで説明いたしましたが、脳卒中は脳血管障害の結果であり、脳血管障害が原因です。そして、脳卒中の原因である脳の血管を治療するのが、脳神経内科医や脳神経外科医(の血管内治療医)であり、その結果である脳の神経障害を主に治療するのがリハビリテーション医学でありそのスタッフです。もちろんこれは、脳卒中に限っての話であり、基本的には脳の障害を治療するのは脳神経内科や脳神経外科です。 脳の障害が治療可能である、その基本概念が「脳の可塑性(かそせい)brain plasticity」です。 2021年1月1日の「ドクターコラム」でも記載いたしましたが、リハビリテーションのキーワードの一つに「可塑性(かそせい)plasticity」があります。可塑性とは
保健当局者の多くは、オミクロン株がそれまでの新型コロナウイルス株に比べ重症化しにくいことを示唆する初期データに勇気づけられているが、そこに別の重大な疑問が影を落としている。 ワクチン接種完了者のブレークスルー感染も含め、オミクロン株への感染が「長期コロナ感染症(Long COVID)」につながる可能性はどうなのか、という疑問だ。長期コロナ感染症というのは、いわゆる後遺症のこと。何カ月にもわたって続き、日常生活に支障を及ぼすこともある身体的、神経的、認知的な一連の症状を指す。 オミクロン株とワクチン接種、そして長期コロナ感染症をめぐる関係性はまだ科学的によくわかっていない。これまでに行われてきた研究では、決定的な手がかりが得られていないということだ。この記事では、科学的にわかっていることと、まだわかっていないことのポイントを紹介する。 オミクロン株の後遺症リスクは? オミクロン株が最初に確認
ニューズ・コーポレーションの子会社であるダウ・ジョーンズ社が発行する日刊経済新聞。1889年以来、世界各地の意思決定者に対し経済情報を提供し続け、アメリカの最も信頼される新聞として知られている。 The Wall Street Journal発 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版は、米国版の記事から厳選した金融・経済の情報を、日本の編集チームが翻訳・編集。これまで英語でしか読むことができなかった分析記事や鋭い論説を日本語で、リアルタイムにお届けします。 バックナンバー一覧 気管支ぜんそく、不健康な腸内細菌、通常は自己免疫疾患に関連した自己抗体の存在――。 こうした要素が、「ロングCOVID」と呼ばれるコロナ後遺症を発症しやすくする可能性のある危険因子の中に含まれると、新たな研究で特定された。コロナ後遺症とは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の感染から数カ月たっても倦
Published 2022/02/12 10:00 (JST) Updated 2022/06/13 10:05 (JST) 新型コロナウイルス感染症の症状がどんなものかは多く報道されているが、回復後の後遺症の実態は意外と知られていない。記者(33歳、女性)は、感染から1年たった今も後遺症に苦しんでいる。体の痛みで座っていられずにのたうちまわり、ひどい倦怠感で日常生活がままならない時もあった。仕事も長期の休職を余儀なくされた。治療である程度は改善したものの、今も本調子にはほど遠く、再び悪化するかもしれない恐怖と闘う日々だ。 若年層は感染しても重症化しにくいからと、油断しないでほしい。コロナ感染自体はたいしたことがなくても、その後に重い後遺症に苦しむ人は多くいる。記者の体験から、その深刻さを知ってもらいたい。(共同通信=秋田紗矢子) ▽感染判明、でもずっと軽症 コロナ感染が判明したのは昨年
2020年の前半、新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加していた米ニューヨーク市で、尊敬される救急医ローナ・ブリーン氏が自死した。49歳だった彼女は、ニューヨーク長老派アレン病院の医長を務めており、聡明で、精力的で、有能な人物と評価されていた。精神疾患の病歴はなかったが、新型コロナに感染したことで状況は一変した。ブリーン氏は同年3月18日に発症し、10日間の闘病を経て仕事に復帰した。しかし家
予後・後遺症に関する文献 このページでは、「医中誌Web」で次の検索式にて表示される結果を最大200件まで公開しています。検索式はキーワードの新規登録などにより随時変更されます。 (COVID-19後遺症/TH or (COVID-19/TH and SH=予後) or ((コロナ/TA and DT=2020:2024) and (予後/TH or 予後/TI or 後遺症/TH or 後遺症/TI or prognosis/TI or "Secondary Disease"/TI or Sequela/TI)) or (COVID-19/TH and (予後/TH or 予後/TI or 後遺症/TH or 後遺症/TI or prognosis/TI or "Secondary Disease"/TI or Sequela/TI)))
1月12日、日本全国のオミクロン株に伴う新規感染者数は1万3052人を数え、東京都の陽性者も2198人が確認されたと報じられました。 東京のこの数は、沖縄県同日の1644人を大きく超えるものです。 水際対策不能な米軍の人流が拡大したと言われるオミクロン株ですが、日本人同士間での市中感染が支配的となった節目として理解することができる逆転現象。 さらに本稿校正中の1月13日夕刻には全国で何と1万8673人、東京だけで3124人という、ほとんど垂直上昇に近い激増を見せてしまいました。 すでに沖縄単体の伸び率ははるかに超えており、市中感染が全国に行き渡りつつある。早晩2万人を超えるのは時間の問題ですらなく、推移を見守る以外、打つ手が何もない。 今後は、統計的には行き着くところまで行くしかない、処置なしに近い状態に近づきつつあるわけで、大変残念です。 試みに、2020年1月から日本国内で確認された全
フォトジャーナリストのジャラル・シャムサザラン氏は、アルツハイマー病と闘う父の姿を記録した。写真は、母が父に、ここは父自身が若い頃に建てた家なのだと教えているところ。神経科学者らは、新型コロナ後遺症の症状の一部がアルツハイマー病などの神経変性疾患の症状と似ている点に注目している。(PHOTOGRAPH BY JALAL SHAMSAZARAN, NVP IMAGES) 2020年の前半、新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加していた米ニューヨーク市で、尊敬される救急医ローナ・ブリーン氏が自死した。49歳だった彼女は、ニューヨーク長老派アレン病院の医長を務めており、聡明で、精力的で、有能な人物と評価されていた。精神疾患の病歴はなかったが、新型コロナに感染したことで状況は一変した。 ブリーン氏は同年3月18日に発症し、10日間の闘病を経て仕事に復帰した。しかし家族は心配していた。氏が混乱し、
統合失調症はその原因や病気のしくみも単一のものではないと考えられています。 しかし、それでも統合失調症は一般的な意味では「脳の病気」といえるでしょう。 現在では、統合失調症は母親の誤った育て方によって起こるものであるとか、 大きなストレスのあまり正気を失ってしまったことが原因であると考える医療従事者はいません。 それでは統合失調症はどういう意味で「脳の病気」なのでしょうか。 これをお話しする前に、まず脳のしくみと働きを簡単に説明しておきます。 はじめにヒトの脳のかたちを調べてみましょう。 脳はおおきく、大脳・間脳・中脳・小脳・延髄に分けられます(図1)。 延髄・橋・中脳をまとめて脳幹といいます。ヒトの基本的な生命活動を担っている部位です。 延髄と橋は、脊髄からの知覚の情報や、小脳や大脳からの運動の情報を中継しています。 中脳は、視覚や聴覚の情報が脳に伝わっていくときの中継と調整の役を担って
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