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今年の「かわいい」
hitocinema.mainichi.jp
誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。 ああ、もうだめだ。こんな映画を見てしまったら、歌わずにいられない。そう、7080(チルゴンパルゴン)。韓国で500万人を動員した海洋クライムアクション「密輸 1970」がとびっきりゴキゲンなのは、ふんだんに盛り込まれた歌だ。歌。それも大衆歌謡だ。この夏もまたソウルへ旅立つけれど、わがいとしの歌たちにスクリーンで再会させてくれたお礼?に思いのたけを吐き出しておこうか。 一獲千金のドタバタ 歌に乗せ7080は1970~80年代のはやり歌のこと。とりわけ私が偏愛するのは学生のころ旅したソウルのちまたに流れていた70年代の歌だ。国産車ポニーのタクシーで、連れ込み宿ふうの怪しいホテルで、夜な夜な真露をあおった路地裏のポジ
片渕須直監督特集上映企画「つるばみ色のなぎ子たちへつづく道 第2弾 『マイマイ新子と千年の魔法』」が4月26日(金)~5月2日(木)京都・出町座にて実施された。「つるばみ色のなぎ子たちへつづく道」は、現在製作中の片渕監督最新作「つるばみ色のなぎ子たち」と、これまでの片渕監督各作につながる主題や創作の原点などを探る上映企画。昨年12月開催された第1弾の企画では、片渕監督と千住明氏(作曲家)が登壇し、映画「アリーテ姫」(2001年)の製作から、製作中の「つるばみ色のなぎ子たち」での 22 年ぶりの再タッグについてまで、熱いトークが展開された。会場は満席で、来場した観客からも、大きな反響となった。 4月27日(土)、企画第2弾の限定上映作品「マイマイ新子と千年の魔法」の上映後、出町座の田中誠一さんが進行司会を務め、片渕監督、コトリンゴさん(音楽家)が登壇したアフタートークが実施された。コトリンゴ
〝原爆の父〟と称される天才物理学者の半生を描いた「オッペンハイマー」。第二次世界大戦末期、広島、長崎に投下された原爆開発の舞台裏と天才科学者の葛藤を、壮大なスケールで映像化。日本公開までに曲折を経た一方、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など7部門を制覇。賛否渦巻く問題作を、ひとシネマが独自の視点で徹底解剖します。 原爆を開発したマンハッタン計画の責任者ロバート・オッペンハイマーを描いた映画「オッペンハイマー」、ようやく日本でも3月29日から公開されます。ようやくなどと申し上げるのは理由があります。アメリカなど世界各国では昨年7月に上映が始まりましたが、日本ではながらく公開されなかった。日本では公開されないのではないかという観測も流れました。 海外での圧倒的評価 日本でもようやく公開映画の監督は、クリストファー・ノーラン。「バットマン」3部作や「インセプション」など、優れている上に
〝原爆の父〟と称される天才物理学者の半生を描いた「オッペンハイマー」。第二次世界大戦末期、広島、長崎に投下された原爆開発の舞台裏と天才科学者の葛藤を、壮大なスケールで映像化。日本公開までに曲折を経た一方、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など7部門を制覇。賛否渦巻く問題作を、ひとシネマが独自の視点で徹底解剖します。 アカデミー賞で作品賞など7部門を受賞した「オッペンハイマー」の国内初の一般向け試写会が12日夜、広島市の映画館「八丁座」で開かれた。広島在住の高校生や大学生ら約110人が招かれ、上映後には平岡敬元広島市長(96)らがトークイベントに臨んだ。ヒロシマの観客に、映画はどう映ったのか。 「人生や複雑な性格描いている」トークイベントには、広島市在住で米国出身の詩人、アーサー・ビナードと、同県呉市出身で映画監督の森達也も登壇した。平岡元市長は「原爆や核兵器の恐ろしさが十分に描かれ
TOP 記事一覧「トーキング・ヘッズの頃の自分は小さな暴君だった」「ストップ・メイキング・センス4Kレストア」が彼らにもたらした<ユートピア>とは アメリカ本国から遅れること5カ月弱、ついに「ストップ・メイキング・センス 4kレストア」が日本でも公開された。この40年も前のコンサート映画に、往年のファンはもとより、トーキング・ヘッズというバンドに初めて触れた若い人たちまでも大いに盛り上がっている様子がうかがえて、オールドファンとしてはとてもうれしい。僕自身もIMAXで一度見たが(もう何回かは行きたい)、オリジナルネガから4Kスキャン&修復(フィルム上の傷やゴミをデジタル技術で消すわけだ)された映像のヌケの良さによって自分もステージに立っているかのような気持ちになるし、メンバーの一人ジェリー・ハリスンらによって新たにリミックスされたサウンドも、過去の上映やソフトとは別次元のものに進化していて
これまで#MeTooを取り上げた映画のなかで、もっとも優れた作品。といっても#MeTooって何、という方もおいででしょうから、ちょっとだけ説明を加えましょう。 権力を持つ者によって、本人の意志に反する性的加害が加えられた。権力を持った人は訴えられるとともに、性的加害が見過ごされることのないように法制度の整備が求められなければならないのですが、被害を受けた本人がそのことを訴えないか、あるいは訴えても相手にされず、多くの場合は沈黙を強制されてしまう。会社はもちろん、警察もマスメディアも相手にしてくれない。被害者はつらい立場に置かれてしまいます。 それが、被害経験を訴えた人が出てきて、マスメディアで報道されると、私もそんな目にあった、私もだと名乗り出る人が相次ぐような状況も起こります。ハーベイ・ワインスタイン事件の後、私もだ、#MeToo、というハッシュタグで知られるようになった運動はそのひとつ
「ONE PIECE FILM RED」は国内興行収入197億円、1427万人を動員して2022年の年間興行ランキングの1位、歴代8位に入る大ヒットとなった。15作目にして前作興収の3倍強、過去最高の「FILM Z」から100億円以上積み増した。背景には成功に導いた周到な戦略と準備、そして原作者の高い目標に奮起したスタッフの力があった。山あり谷ありの内幕を、梶本圭プロデューサーに聞いた。 シリーズ15作目、過去最高の3倍近く「ONE PIECE」は1997年に週刊漫画雑誌「少年ジャンプ」で連載が始まった、尾田栄一郎の少年漫画。海賊王を目指す主人公ルフィと仲間たちの冒険を描き、単行本105巻を刊行してなお連載継続中。単行本の総発行部数は5億部を超し、人気の衰えない長寿漫画だ。 99年のテレビアニメ化に続き、00年に公開された映画版第1作は、興収21億円。ヒットとしては中規模で、その後毎年新作
誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。 30年前に放送された特撮テレビシリーズ「電光超人グリッドマン」。その、正式な承継作品となるテレビアニメーションシリーズ「SSSS.GRIDMAN」の続編映画、「グリッドマン ユニバース」が公開された。 元々「SSSS.GRIDMAN」もかなり特異な経緯で誕生したものだ。アメコミヒーローであれば、コミックやアニメーションから実写化されるものも多い。しかし、本作は実写特撮を原作・初作として、その続編として数十年後にアニメーションで作られた。これは本邦、いや世界でも初めてではないか。メカアクションや等身大キャラクターたちの魅力にあふれた、盛りたくさんな内容であり、初見の方でも楽しめる。音楽等、アニメーション第1期で人
誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。 ジャズの映画には名作が多い。「ラウンド・ミッドナイト」「バード」「ブルーに生まれついて」など・・・・・・。挙げればいくらでも出てくるのだが、これらはいずれも実写作品である。本作はアニメ、果たしてどんな映像表現になるのだろう、演奏シーンはどんな聴こえ方をするのだろう、と強く興味をそそられる。またその一方で10代の若者がバンドを組み「世界一」を目指して夢を追いかける、そんな熱すぎるテーマに50代後半の自分がついていけるだろうかという不安も抱えた。もちろん音にはこだわりDolby Atmosの映画館に向かう。しかし、オープニングからまもなく、サックスの力強い音色が内臓を震わせるほど豊かな音量で響いてきた瞬間、不安は霧
2009年10月、「ウィニー事件」で逆転無罪判決を受け、無罪と書かれた紙を掲げる金子勇さん=竹内紀臣撮影.jpg 2002年に開発されたパソコンのファイル共有ソフトを巡る事件を描いた映画「Winny(ウィニー)」が公開されている。問題を起こしたソフトを開発すること自体が罪に問えるのか、物議を醸した事件だった。当時、京都支局でまだ駆け出しのサツ回り記者としてこの事件を取材した私が振り返ってみたい。 「京都府警が逮捕へ」地元紙の特ダネ「これは大変な事件じゃないのか」。04年5月の早朝、先輩記者からの電話で私はたたき起こされた。支局に駆けつけると、地元紙の1面トップに「京都府警がウィニーの開発者を逮捕へ」という見出しが躍っていた。 ウィニーは、サーバーを介さずファイルを直接やり取りできるP2P(ピア・ツー・ピア)ソフトだ。ファイルは細かく分散して暗号化されるため、匿名性が極めて高い。音楽や映像な
映画の魅力は細部に宿る。どうせ見るならより多くの発見を引き出し、よりお得に楽しみたい。「仕事と人生に効く 教養としての映画」(PHP研究所)の著者、映画研究者=批評家の伊藤弘了さんが、作品の隅々に目を凝らし、耳を澄ませて、その魅力を「よくばり」に読み解きます。 30秒間のCMを構成するショットの数は、それぞれ16と17で大差はない。映像の流れや、映像を構成するショットの内容もほぼ共通している。 日経電子版(日本経済新聞電子版)のテレビCMの話である。CMは二つ用意されており、それぞれ女性(杉咲花)と男性(池松壮亮)をメインに起用している。いずれも日本電子版の「初割」キャンペーンの特設サイトおよび日本経済新聞のYouTubeチャンネルで公開されている。 短時間の映像で視聴者を何らかの購買活動に向かわせようとするCMと、比較的長い時間をかけて観客を物語の世界に誘おうとする映画とでは、その様
映画の魅力は細部に宿る。どうせ見るならより多くの発見を引き出し、よりお得に楽しみたい。「仕事と人生に効く 教養としての映画」(PHP研究所)の著者、映画研究者=批評家の伊藤弘了さんが、作品の隅々に目を凝らし、耳を澄ませて、その魅力を「よくばり」に読み解きます。 市野井雪(宮本信子)から「漫画描くの楽しい?」と問われた佐山うらら(芦田愛菜)は「あんまり楽しくはないです。自分の絵とか見ててつらいですし」と答えたあと、「でも、何かやるべきことをやっている感じがするので、悪くないです」と続ける。 再解釈、再創造された主人公・うらら「メタモルフォーゼの縁側」を見ていて私がもっとも共感を覚えたくだりである。というのも、これは映画批評家として私が毎回原稿に取り組むときの姿勢と同じだからである。自分の文才のなさを嫌というほど思い知らされながら文章を書くのは、あまり愉快なことではない。というか、正直に言って
映画でも配信でも、魅力的な作品を次々と送り出す韓国。これから公開、あるいは配信中の映画、シリーズの見どころ、注目の俳優を紹介。強力作品を生み出す製作現場の裏話も、現地からお伝えします。熱心なファンはもちろん、これから見るという方に、ひとシネマが最新情報をお届けします。 日韓の映画撮影現場で働く藤本信介さんの韓国映画界ルポ第2弾。「見栄え」のする映像のために、どんな工夫がされているか。20年で大きく様変わりした韓国映画界の、ハリウッドとも日本とも違う独自の仕掛けを明かします。 第75回カンヌ国際映画祭で授賞式に臨む「別れる決心」のパク・チャヌク監督(左)と主演のパク・ヘイル=ロイター 「奇跡のバトン」カンヌでつないだ2作品5月に開催された第75回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督が韓国映画に初挑戦した「ベイビー・ブローカー」の主演ソン・ガンホが男優賞を受賞し、「別れる決心」のパク・チャヌク監督
ドンバス©︎MA.JA.DE FICTION ARTHOUSE TRAFFIC JBA PRODUCTION GRANIET FILM DIGITAL CUBE 政治権力とは何でしょうか。つきつめていえば、権力とは、相手がそんな行動を取る意思がない場合であっても、相手に何らかの行動をさせることとして定義することができるでしょう。いや、厳密に言えば、行動させるだけでなく、何らかの行動をさせないことも含まれますね。 でも、普通私たちはそんな学者の定義にかかわりなく生きている。法の支配がある限り、権力行使には制限が加えられているからです。警官、あるいは官僚には相手に行動を強いることが認められていますが、それはあくまである範囲の中でのこと。法によって認められた範囲を超えた権力の行使は違法ですし、裁判に訴えることができるわけです。無制限な権力行使は法の支配の対極に立つものだと言っていいでしょう。 プ
映画でも配信でも、魅力的な作品を次々と送り出す韓国。これから公開、あるいは配信中の映画、シリーズの見どころ、注目の俳優を紹介。強力作品を生み出す製作現場の裏話も、現地からお伝えします。熱心なファンはもちろん、これから見るという方に、ひとシネマが最新情報をお届けします。 韓国映画製作現場ルポ 「タダ働き当たり前」から「月20万円」へ 次々と力強い作品を送り出す韓国映画界。政府が映画界を後押しして海外に市場を拡大し、製作現場の環境改善も推し進めてきた。作品は大型化し、日本をはじめ世界でヒット作が生まれている。ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」は、カンヌ国際映画祭でパルムドール、米アカデミー賞作品賞と、作品の評価でも頂点を極めた。韓国映画界の躍進の秘密はどこにあるのか。20年にわたり韓国と日本の製作現場で助監督を務めてきた藤本信介さんに、現場から報告してもらった。 先取り! 深掘り!
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