日本を代表する佐賀県の磁器「有田焼」が中国で商標登録され同国で表記できなくなった問題で、登録者が商標を長期間使用しなかったため登録が抹消されたことが8日、佐賀県有田町への取材で分かった。県陶磁器工業協同組合は商標権侵害を防ぐため「有田焼」の表記を中国商標局に申請、海外市場での販路拡大とブランド確立を狙う。 有田町によると、中国福建省に住む男性が陶器皿などを「有田焼」と申請、平成16年に商標登録された。上海市で22年に開かれた佐賀県物産展で有田焼を出品しようとした際、名称を使うことができず、問題が発覚。中国市場では「ARITA JAPAN」などと表記していた。 中国の商標法は登録した商標が3年間使用されない場合、日本の特許庁に当たる中国商標局に取り消しを申請できる。有田町は24年に取り消しを申請し、25年10月ごろに認められた。 担当者は「中国市場をどんどん開拓したい」と意気込んでいる。