『寺院消滅 失われる「地方」と「宗教」』(鵜飼秀徳著、日経BP社発行) 日本のお寺はかつてないほどの危機に瀕している。菩提寺がなくなり、お墓もなくなってしまった──。こんな事態が現実になろうとしている。中でも地方のお寺の事態は深刻だ。高齢化や過疎は檀家の減少につながり、寺の経営を直撃する問題となっている。寺では食べていけないことから、地方の寺では、住職の跡継ぎがいない。しかし、寺は地域住民の大切なお墓を管理しなければならないため、簡単に廃寺にしたり、寺を移転したりすることはできないのが現実だ。一方、都会で働くビジネスパーソンにとって、お寺やお墓は遠い存在であり、お寺との付き合いは「面倒」で「お金がかかる」ばかり。できれば「自分の代からはもう、お寺とは付き合い合いたくない」と、葬儀は無宗教で行い、お墓もいらない、散骨で十分という人も増えている。 購入:日経ストア・Amazon(Kindleス
