明治初期に西洋文明を取り入れた近代化をさして使われた「文明開化」の文字を記した小皿が、東京・三田の慶応中等部敷地内で出土し、東京・港区立港郷土資料館で17日から来年1月18日まで公開される。 慶応がこの種の品を作った記録はないが、「文明開化」は慶応義塾の創設者・福沢諭吉が最初に使った言葉だけに、歴史の因縁を感じさせる発見として話題を呼びそうだ。 小皿は直径11センチで瀬戸美濃系の磁器。慶応大が2009~10年に行った発掘調査で、明治半ばごろに埋まったとみられるゴミ穴などから計2点見つかった。調査地は1875年(明治8年)には田安徳川家の邸宅になっており、1912年(大正元年)まで同家の敷地。慶応の所有となるのは戦後なので、小皿は同家で使用されていたものと考えられるという。