夕張保険金殺人事件(ゆうばりほけんきんさつじんじけん)とは、1984年(昭和59年)5月5日に北海道夕張市鹿島(大夕張)で発生した、火災保険および生命保険の保険金詐取を目的とした放火殺人事件。 首謀者の暴力団組長夫婦が実行犯に放火を指示して犯行に及んだものとされ、夫婦は首謀者として死刑判決を受けた。恩赦による減刑を期待して控訴を取り下げ、自ら刑を確定させたが、期待に反して恩赦は行われず、1997年(平成9年)に戦後初めて夫婦揃って死刑が執行された。 首謀者のH(逮捕当時41歳)は、1943年(昭和18年)に様似郡様似町の7人兄弟の6番目として産まれた。家族が夕張市へ移住した6歳の時に父を失い、母子家庭で育ったHは兄たちの影響で非行を繰り返した。小学6年生の時から15歳まで紋別郡遠軽町の教護院(家庭学校)で過ごし、その後はトラック運転手や炭鉱労働者、調理師見習いなどを経て、17歳の頃から暴力