“Rashomon effect”(羅生門効果)という言葉をときどき見かけて以前から気になっていた.同じ事象を複数の視点から見ると違って見えることを指して使われる.でもどうして羅生門なのかずっと不思議だった.しかし,海外では小説の「羅生門」よりも黒澤明監督の映画「羅生門」の方が有名なのだ.そして,ややこしいことに,映画「羅生門」の原作は芥川龍之介の「藪の中」だ.これで納得.心理学,犯罪学,社会学などでよく使われているが,環境リスクの文脈にだって使えそう.例えば,ラブカナル事件を複数のステークホルダーの視点から語った書籍がある.