ヨハネス・フェルメール 窓辺で手紙を読む女(修復後) 1657-59頃ドレスデン国立古典絵画館蔵 © Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische 穏やかな光と、静謐な空気を湛えた室内画で名高いフェルメール。彼が自らのスタイルを確立した、記念碑とも言うべき作品《窓辺で手紙を読む女》が、4年間にわたる修復期間を経て、2021年に制作当時の姿を取り戻した。そして現在、東京都美術館で開催中の「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」における展示が、修復後、所蔵館以外で世界初公開となる。今回は、フェルメールが生きた当時のオランダの絵画事情や、同時代の他の画家たちによる作品の紹介も交えながら、作品と「フェルメール・ブランド」の誕生までの