本作のベースとなっているのは、1995年に米国のテレビ番組向けに収録されたテープだ。だが実際にオンエアされたのはごく一部に過ぎず、残りの部分はマスターテープが紛失してしまったため長らく「幻のインタビュー」と呼ばれていたらしい。 最近になってマスターテープをダビングしたビデオテープが見つかったことから、HDマスター化して編集したものが本作だ。 BGMもなく、ほぼジョブズ一人が画面の真ん中でしゃべり続けるというおよそ映画らしくない映画ではあるが、りんご信者でもない筆者でさえあっという間に話に引き込まれてしまうほどこれがディープで面白い。 尺の3割くらいはジョン・スカリー(かつてジョブズをアップルから追放したトップ)とマイクロソフトをdisっているが、今振り返ると「なるほど」と唸らせるような未来予測もちゃんとしている。 以下、印象に残った発言をいくつかピックアップしておこう。 (記憶に頼っている