秋の昼間の電力の「タイムセール」が広がっている。太陽光発電が拡大する中、春や秋にはエアコンなどの電力需要が減り、晴れた日に発電を一時的に止める事態が頻発しているためだ。時間帯を指定したポイント還元による割引が九州地方などで進んでおり、この秋は東北地方でも始まった。 気温が30度を下回り、冷房をつけずに窓を開ける。そんな過ごしやすい秋の日、電力業界では太陽光などの発電事業者に一時的に送電を止めてもらう「出力制御」が起きている。 電力は需要に合わせて供給量を調整する必要があり、火力発電を止めても電力が余りそうな場合、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの出力制御が発令される。 再生エネの出力制御は、資源エネルギー庁によると、2023年度には全国で約19億キロワット時に達した。約45万世帯の年間消費電力に相当する再生エネを使い切れずに無駄にしている計算だ。 こうした再生エネの有効活用が課題となっ