個人資産8400億円を保有しているとして、米経済誌フォーブスで2010年の「日本一の金持ち」に輝いたユニクロ=ファーストリテイリング(FR)会長兼社長の柳井正氏にいま、〝富豪批判〟が出ている。 きっかけはFRが発表した柳井氏の株譲渡をめぐる内容。筆頭株主の柳井氏は自身が保有するFR株約531万株(議決権ベースで5.2%)を、オランダ国籍の同氏の資産管理会社「TTY Management B.V.」に譲渡したことが明らかになった。その目的は「配当金を主な原資として、社会貢献活動を永続的にかつ幅広くグローバルに実施すること」だとされているが、これが節税対策なのではないかとの指摘が上がっているのだ。 「オランダには資本参加免税制度というものがあり、発行済株式の5%以上を継続保有していれば、配当および売却益は非課税。海外税制は複雑だが、今回の譲渡によって柳井氏は数億円程度の節税となる可能性がある。