26日、トルファン地区ピチャン県の自宅で「(ユスプ容疑者は)長男を射殺された恨みを募らせていた」と語る母親=今村太郎撮影 【トルファン(中国新疆ウイグル自治区)=今村太郎】中国北京市の天安門前に車が突入して多数の死傷者が出た事件で拘束された五人のうち、新疆ウイグル自治区トルファン出身の容疑者が六月に地元で起きた暴動で公安当局に息子を射殺されていたことが分かった。突入現場で死亡した実行犯三人も民族問題を背景にした暴動で親族を失ったとされ、当局への恨みが犯行グループの形成につながったとみられる。 息子を射殺されたのは、トルファン地区ピチャン県出身のユスプ・ウマイアニヤズ容疑者(43)。自宅で取材に応じた母親(68)によると、六月二十六日、刃物を持った男らが地元の警察署や政府庁舎を襲撃した事件で、ユスプ容疑者の長男(21)が射殺された。母親は、容疑者が「(公安当局を)恨んでいた」という。事件では