建物の裏口の前で二匹の猫が屯していた。一匹はお座りしながらじっと扉の方を眺めていて、もう一匹は辺りをウロウロしている。二匹は餌をねだっているようだった。でも、猫が見詰めている扉は開くことはないはなかった。 餌の時間が来ているのかどうかは分からない。でも、猫の様子を眺めている限りでは、もう来てしまっているのだろう。そして、餌をくれる人が現れるのを切に願っているように見える。猫は不安そうな視線を閉じられたままの扉に注ぎつつけていた。

丸山の辺りには飲み屋街が広がっていた。路地に両脇には多くの飲み屋が軒を連ねている。でも、はだ夕方だったので、お店は空いていない。酒をあおるにはまだ早い時間帯だった。路地は静けさに包まれていた。 静かな路地をひとりで探索していると、路地の先を一匹の黒猫がトボトボ歩いているのが見えた。僕と同じように飲み屋が建ち並ぶ路地を散策しているかのようだ。ひょっとしたら、夜にどこのお店で寛げば良いのか、下調べをしていたのかもしれない。
山手線の線路脇にはのんべい横丁という飲み屋が軒を連ねている区画がある。散歩の途中で訪れたのはまだ日暮れ前だったので、どの飲み屋もまだ開いていない。静まり返った横丁には人影もなかった。 閑散とした横丁を歩いていると、路地の先に一匹の猫がいるのが見えた。僕と同じようにひとりで散歩している最中なのだろう。行儀よくお座りしていた。でも、周囲の状況が気になるようできょろきょろと見渡している。でも、カメラを構えている僕には気が付いていないようだった。
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