幼い子を襲い、発症すると救命が難しいインフルエンザ脳症の新ガイドラインを厚生労働省研究班がまとめた。最新の治療のほか、異常行動の例や症状の分類などを詳細にし、見逃しを防ぐ工夫を凝らした。患者への対応にとどまらず、脳症で子を失った親への調査に基づいて、家族へのケアのあり方を詳しく掲載しているのが大きな特徴だ。 前日まで元気だった子が突然意識障害に陥る病気で、死亡もまれではない。通常のインフルエンザでは、脳症は年間100〜200人が発症し、うち9%が死亡すると推計されている。命は助かっても脳の障害が残ることもある。新型での脳症発症率はまだ分かっていないが、研究班によるとすでに全国で少なくとも10人が発症している。秋以降の流行拡大で急増する懸念がある。 ガイドラインは「父を『お姉ちゃん』という」「話そうとするが言葉が出ない」「理由もなく『こわい!』と叫ぶ」など、脳症の早期診断に重要な異常行動