新しい形のスラムが出来ようとしている フリーターやニートが250万人規模で存在するのに比べると、ネットカフェ難民の数はまだまだずっと少ない。しかも、ネットカフェ難民という言葉が連想させる、自由気ままなイメージにごまかされて、これをたいした社会問題ではないと思っている人が多いようだ。 しかし、それは間違いだ。この問題を放置すると大変なことになるとわたしは考える。というのも、これは形を変えたスラムだとわたしは思うからだ。「いくら努力しても悲惨な境遇から抜け出せない」という人たちが集まることで、現代日本には存在しなかったスラムが、今、出来ようとしている。そしてそれは、従来の形のスラムとは違った、いわば地域横断的な新しい形の「分散型スラム」である。 スラムには社会不安や犯罪の種がまかれる。早いうちにその芽をつまないと、あとで取り返しのつかないことになるだろう。 厚生労働省も事態を重くみて、