トロイア遺跡 「トロイの木馬」で知られるその城塞は、今からおよそ140年前にシュリーマンの手により土の中から発掘されたのだった。この話についてはシュリーマンの自叙伝である『古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫) 』にて詳しく述べられており、私はこの本をid:kyokucho1989から譲り受け*1、この地を訪れたのだった。 トロイ遺跡というと、有名であるけれども訪れてみたら大したことはなく、「寄るほどのモノでもなかったな」と言うのがお約束であるらしい。私はその知識があったために期待値をかなり下げて行ったのが功を奏したか、来たかいがあったと素直に思えた。トロイ遺跡は単一の城塞跡ではなく9つの層から成り立っており、さまざまな時代の城壁を混在してその姿を見せている。これら都市の時代背景は、紀元前3000年頃の初期青銅器時代から紀元前350年〜400年のローマ時代である。したがってアリストテ