そして、夜。干したそれらに身を埋めると……。なんともいえない、いいニオイがする。心癒されるような。幼き日を思い出すような。やさしい、やさしいニオイ……。 このニオイのことを、筆者も、妻も、子供も、我が家は皆「お日さまのニオイ」と呼ぶ。家族揃って大好きな、お日さまのニオイ。いつまででも嗅いでいられる、お日さまの……。うん? ちょっと待てよ。お日さまの……? ニオイ……? お日さまとは、当然ながら太陽のことである。はるかカナタに存在する太陽に、ニオイなどあるのだろうか? よしんばあったとしても、そのニオイが地球に住む人間のもとまでは届かないと思うが。 ならば、日光のニオイ? 光に、ニオイってあるのか。 ためしに、部屋干ししたシーツや毛布のニオイを嗅いでみる。が、お日さまのニオイは一切感じられない。なら、乾燥機で温めた布団からはどうだろうか。これもやはり、お日さまのニオイはしなかった。 日光がほ