聖人君子でもないかぎり口の失敗は多い。言うんじゃなかった――。われら凡人、悔いはいつも舌のあとに遅れてついてくる。 「沈黙は自分自身を警戒する人にとって最良の安全策である」という格言も何のその。とかく舌はよく動く NHK新会長の就任会見での発言が波紋を呼んでいる。「会長職はさておき」などとして持論その他を大いに語った。 従軍慰安婦問題では「戦争地域にはどこでもあったと思っている」。あれやこれや、このポストの人として異例の発言だ 独仏の国名に続けて「なぜオランダにまだ飾り窓があるんですか」と述べた。飾り窓とは○春街をさす。 失言というより、籾井勝人(もみいかつと)氏は心と口の距離が近い率直な人なのだろう 懸念の多い特定秘密保護法については「これが必要というのが政府の説明ですから」「あまりカッカすることはない」など、なにかと政府に寄りがちだ。 法律に反対する国民も受信料を払ってい