鈴木三重吉 目次 女神(めがみ)の死(し) 天(あめ)の岩屋(いわや) 八俣(やまた)の大蛇(おろち) むかでの室(むろ)、へびの室(むろ) きじのお使(つか)い 笠沙(かささ)のお宮 満潮(みちしお)の玉、干潮(ひしお)の玉 八咫烏(やたがらす) 赤い盾(たて)、黒い盾(たて) おしの皇子(おうじ) 白い鳥 朝鮮征伐(ちょうせんせいばつ) 赤い玉 宇治(うじ)の渡(わた)し 難波(なにわ)のお宮 大鈴(おおすず)小鈴(こすず) しかの群(むれ)、ししの群(むれ) とんぼのお歌 うし飼(かい)、うま飼(かい) 女神(めがみ)の死(し) 一 世界ができたそもそものはじめ。まず天と地とができあがりますと、それといっしょにわれわれ日本人のいちばんご先祖の、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)とおっしゃる神さまが、天の上の高天原(たかまのはら)というところへお生まれになりました。そのつぎには高皇産