内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(以下、南海トラフWG)が「確度の高い地震の予測は困難」と発表して以来、メディアでは「もうどうせ予知なんてできないだろう」という否定的な見方が広まった。東海地震の予知・予測のため約40年間、黙々と観測をつづけてきた気象庁さえ、このまま現体制での業務を続けられるかは未知数で、「いまはまな板の上の鯉の気分」と話した。では、地震研究に長年携わってきた研究者たちは、この発表をどう受け止めたのか。現在は原子力規制委員会の主要メンバーとして活躍する元日本地震学会会長、そして元地震予知連絡会会長の島崎邦彦氏を直撃した! 「知ってるかい水原くん。先日、NHKが放送した地震特番の『MEGAQUAKE III』の視聴率、同時間帯のTBSのドラマ『半沢直樹』にボロ負けだったそうだよ」 六本木にほど近い、原子力規制庁が入るビルの前で待ち合わせた“防災の鬼”、防災